高尚文字書き様にならないために
奇をてらい過ぎると滑る
自分の文章が硬いという方に、『どうすれば文章が柔らかくなりますか?』という質問をいただきまして。
私の考えややり方を語ってもいいのだけれど、私はプロではないし無責任なことは言えないなあと思って、なんとなく『文章 柔らかくする』で検索したんですよ。
そしたら以下のような興味深い記事を見つけました。
「この店は酒をゆるりと飲むのに向いている」なんていう文はよく見かけます。思わず鼻をつまみますね、ぼくは。書き手のナルシシズムを感じるからです。
「文章が硬い」と言われるのは、もしかしたら、あなたの「てらい」を指摘されているのかもしれません。
このサイトはライターさんが文章の書き方についてまとめている所で、引用した記事は、同じように『文章が硬いと言われます』というご相談を受けて書かれた記事でした。
この「てらい」ですが、私は「奇をてらった」という使い方で覚えています。
「てらい」とは「衒い」と書き、「自分にすぐれた知識・才能があるかのように、わざと見せかける。また、知識・才能を見せびらかして誇らしげにふるまう」という意味です。
「奇」とは「普通とは違うこと」「めずらしいこと」という意味であり、まさに「奇を衒う」とは「自分は普通とは違うのだということを誇らしげに見せびらかす」ということなのです。
こ、高尚文字書き様だー!
いや、怖い。自分がそうなっていないかめちゃ怖くなりました。
だって自分が覚えた言葉や知識って使いたくなるじゃないですか。こういう表現もできちゃうんですよって、言いたくなるじゃないですか。
でも、そういう驕りって読者に伝わるのですよね……。
確かに、読んでいて『なんかこの文章鼻につくなあ』と思う時って大体難しい単語や文体がでてきた時な気がします。悔しいんですよね。
頭いい人ぶりよって~~~~って思っちゃうわけですよ。
自分を良く見せたいと言う気持ちは誰にでもあるし、それは向上心にもつながるので、私もその気持ちは否定しません。
でも、このライターさんが「最大の敵」とおっしゃっているように、上手く飼いならさなければいけない性質なのだなと感じました。
類語辞典やことば選び辞典などで選んできた、付け焼刃の表現は他の文章から浮くし、急に頭良さそうなこと言い出したら『どうした?』と思われる。
やはり、自分の中に落とし込み、自分のものとなった言葉や表現でないと、自然な文章が書けないのだなあと感じました。
類語辞典・ことば選び辞典が悪いのではないです。私もその2つ大好きです。
あまり良くないのは、その場限りで使うことだと思っています。
何かいまいち文章にパンチが無いなあと思って類語辞典を開き、素敵な熟語を見つけてそれを使ってみる。使ってみたはいいけど、後で自分の文章を読み返したとき『私、こんな単語使ったっけ?』って思うようなことがあれば最悪ですね。自分のものにできてないじゃんってことです。
狙って書いていることがバレることほど、寒いことはありません。改めて、類語辞典を使った場合はその単語を自分のものにすることを意識しようと思いました。
自分の中から自然に出てきた文章のほうが素直に響くということ、これからも意識したいと思います。
調べものをすると思わぬ収穫がある
本題とは関係ないですが、先ほど引用した記事ではほかにも勉強になったことがありました。
漢字をひらがなにする、専門用語ばかりならべない、『である』よりも『です・ます』調のほうが柔らかく感じるなど、私の中にもあるノウハウが書かれており、自分の中にある知識の再確認とアップデートをさせていただきました。
固く見える漢字や熟語を、平仮名にする作業のことを、編集用語で「ひらく」と言うそうです。へー!知らなかった。
所謂→いわゆる
躊躇う→ためらう
殆ど→ほとんど
場合によっては私もこれらは平仮名にすることがあるので、今度から『ここ硬いからひらいちゃお』って言うことにしました。カッコイイ。
あとやはり、言い換えも有効のようです。
『猛暑が続いている』と言われるより『このところ毎日暑い』と言われるほうがなんとなく柔らかいですよね。
人から質問を受けて自分で調べるという行為、こういう新しい知識に触れられるのでありがたいです。
ぜひ皆さんもご自身でも調べてみてくださいね。
・ ・ ・
同人活動やオタク活動に関するお悩み相談やラジオ配信を行っています。
チャンネル登録やフォローをお願いいたします~!
マシュマロはこちら
※たくさんおたよりが届いている時は、お待ちいただく場合がございます
スポンサーリンク