価格:1,100円 |
やっと私の家にも届きましたよ「同人女の感情」改め、ジャン神。
やはり発売日に欲しいものは通販しないほうがいいですね。
早速読みましたので感想を! いや~やっぱこの漫画面白いですわ。
2巻の感想はこちら!
創作のエネルギーはクソデカ感情から
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わざわざ二次創作という面倒な作業をしようとする人間は、何かに対してクソデカ感情を抱いているように思います。
ジャン神にも、二次創作同人におけるさまざまな女たちの感情が描かれていますよね。
・この作品が好き!
・推しのこういう所が好き!
・作品や推しのことをもっといろんな人に知ってもらいたい!
・公式で描かれていない部分も妄想したから形にしたい!
・二次創作を読みたいのに、思った作品が無い!(少ない)
だいたいの方が、こういった感情をきっかけに、二次創作を始めていると思います。
ジャン神でいうと、前人未踏の0件ジャンルを目の当たりにし「私が書けばいいんだ」と初めて筆をとったたまきちゃんが良い例だと思います。
きっかけは人それぞれと言ってしまえばそれまでですが、少なくとも「ジャン神」に描かれている一部の同人女は、他人に対するあこがれ・嫉妬心・対抗心をエネルギーにしています。
ジャンルの中心的存在として、多くの読者の心をざわつかせている文字書き『綾城さん』の存在と、彼女と仲の良い『おけけパワー中島』という存在がTwitterでトレンド入りするほど多くの波紋を呼びました。
綾城さんのジャンル移動を引き止めたくて筆をとった友川さん。
綾城さんに振り向いてもらいたくて筆をとり、綾城さんと仲の良いおけけパワーに嫉妬する七瀬さん。
綾城さんに嫉妬と対抗心を燃やし、それを創作のエネルギーに換える柚木さん。
さまざまな女たちが、綾城さんやおけパに対する感情を爆発させ、創作をしています。
作品が好きだから二次創作をしている、といっても、一度作品を公開してしまえば、人と比べて落ち込んだり、自分よりもちやほやされている人を見て嫉妬したり、ジャンルの中心的存在となっている綾城さんと仲の良いおけけパワー中島にムカついたりするものです。
誰かに認めてもらいたい、それは人として当たり前の感情なのです。
このあたりは、読み専さんにはあまり理解されない感情かもしれません。
でもこれ、現実にほとんどの文字書きが感じている感情です。今はまだ創作をただ純粋に楽しんでいても、これから先抱く可能性を誰もが秘めているのです。
これは私自身が思っていることなのですが、文字書きって「感情を言語化」することに長けているため、自分の気持ちを整理して爆発させることが、困ったことに上手なんですよ。
むかついたら、むかつく理由を説得力のある言葉で説明できてしまう。
好きなものを語るのと同じくらい、嫌いなものを語る能力に長けているように思うのです。
だからこそ、嫉妬する理由、嫌いな理由が言葉で整理できてしまい、さらには他人の粗を探して「あいつのこういう所が嫌い」と説明できてしまうため、感情はどんどんふくらんでいきます。
柚木さんのように、きっかけがあれば綾城さんを長文でdisることができてしまうくらい、頭の中に「嫌いな理由」が分析され、蓄積され、言語化されているのです。
ああ、文字書きって面倒で怖い。
さらに文字書きは、『同人誌界隈において、小説よりも絵や漫画のほうが数字は伸びる』という劣等感が標準装備されています。
『それは媒体の性質上、仕方のないこと』と理解し納得していても、ひとたびその劣等感を刺激されてしまうと怒りや悲しみのような感情が爆発してしまうのだと思います。
日頃から劣等感を感じている人や、感じたことがある人は、自分を納得させるための思考や言葉をたくさん頭の中に用意しています。
そこに文字書きとしての語彙力や言語能力が加わると、説得力のあるお気持ち長文になることがあるので厄介なんですよね。
ちなみに私が同人女の感情(ジャン神)の登場人物で一番自分に近いと思っているのは柚木さんです。
綾城~~~~!!高尚ぶりやがって~~~~~!!!!といつも思っています。
昔なら神と仲の良いおけパのような人に嫉妬もしていたと思いますが、今は自分の作品が一番好きなのでそういう感情は抱きません。
でも毒マシュマロは送ってはいけない
ジャン神の登場人物には、さまざまな愛憎の感情が渦巻いています。
登場人物全員に、良いところと悪いところがあり、人間味があって非常に面白いです。
でも、この作品に悪人はいないのです。
綾城さんも、おけパも、七瀬も、友川も、柚木も、他の登場人物も、みんないい子で、いつもは普通に二次創作を楽しんでいるはずなのです。
ちょっとした勘違い、勝手な思い込みから小さな失敗を積み重ねているだけなのです。
書き下ろし漫画にとても興味深い内容があって、私はその内容を読むためにも、ぜひジャン神を購入していただきたいと思っています。
書き下ろし漫画には、綾城さんが同人小説を書くきっかけとなったナツメちゃんという方が登場します。
ナツメちゃんは、最初は綾城さんと仲が良かったのですが、あることをきっかけに綾城さんにモヤモヤした感情を抱くようになり、なんと綾城さんに毒マシュマロを送ってしまうのです。
同人女の感情は、綾城さんに対し嫉妬や劣等感、対抗心、憧れと表裏一体の憎しみを抱く女性が数多く登場し、わたしたち読者の心にひそむ醜い感情をえぐられ、更新されるたびに関連用語がトレンド入りする漫画でした。
しかし、そこから『毒マシュマロを送ろう』という行動に出てしまった人物はナツメちゃんだけです。
ナツメちゃんが起こした行動は、ひとりの文字書きを傷つける悪い行動です。
しかし、毒マシュマロを送るまでに追い詰められたナツメちゃんの感情も理解できてしまうのです。
この書き下ろしは、だれしもがナツメちゃんのようになってしまう恐れがある、と釘を刺されたような気持ちにもなってしまうエピソードなのでした。
同人女の感情、改め『私のジャンルに「神」がいます』は、賛否両論ある作品でしたし、実際この作品が嫌いという方も多いように思います。
しかし、二次創作同人誌で活動している方にはぜひ読んでもらいたいと思うくらい、考えさせられる内容が多かったです。
プラスの感情も、マイナスの感情もどちらも含めて刺激される漫画だったので、更新されるたびに『感想を呟くとお気持ちヤクザになっちまう』と思って結局感想を呟かないというスタイルを貫いてしまいました。
ので、ここにまとめさせてもらいました。
近いうちに友人とこの漫画について話す機会を作れたらなと思っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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