最近、Twitterでショートストーリーをアップする文字書きさんが増えましたね。
文庫本メーカー、名刺メーカーというやつで、800~2000字くらいの小説を書く方のことです。
ワンドロ・ワンライに参加するときにちょうどいい長さだと思います。
私は短くまとめて書くことと、お題に合わせて決まった日の決まった時間に作品を仕上げるのが苦手で、いつもワンライには参加しておりません。
作品を書いてアップするときは短くても8000字で、平均で20000字前後の文章を書いています。
なので短編を書く友人やフォロワーさんに「長い小説が書けるなんて羨ましい」とよく言われます。
それって長いのを書いてみたい、という意味だと思うのですが、長い小説ってどうしたら書けると思いますか?
ワンシーンのみでは長いお話にはならない
長い文章を書いていると途中で飽きる、体力が尽きる、という方が長い文章を書けないのは仕方ないと思うのですが、どうしても短い作品しか思いつかないという方、あなたの作品はワンシーンで完結していませんか?
ワンドロの作品を眺めていると、大抵の人はワンシーンしか書いていません。
「AくんとBくんが同棲している設定です!」とツイートし、AくんとBくんが朝のルーチンをこなして「いってきます」をするまでのシーンを書いてアップする。
最初から最後まで、お部屋だけで場面は完結。ベッド、洗面所、キッチンくらいの移動はありますが。時間帯も朝のみですよね。
二次創作はもともと、オリジナルの作品が存在し、キャラクターの容姿や性格などをあえて二次創作で描写する必要はありません。キャラクターの名前さえ出せば、読者がその容姿や背景、人物像を瞬時に想起してくれるんです。
なので、書きたいシーンだけ書いてもなんとかなるのが事実。
こういう推しが好き、推しがこういう行動をしているのが好き、推しカプがいちゃいちゃしているのが好き。
そういうポイントを作品にして紹介するだけなら、ワンシーンでOKです。
二次創作ですから、書きたいところだけ書くというスタイルでもいいんです。
しかし、長い作品、分厚い本に憧れるのでしたら、ワンシーンだけでは成り立ちません。
朝起きるときの様子、歯磨きの仕方、着替えている時の描写、二人の朝ご飯の中身など、細かく描写できるところはいくらでもありますが、それでも限界がきます。
お話を組み立てるなら、一番書きたいシーンの前後に、関連した別のシーンが必要になってきます。伏線を仕込み、回収し、後日談を語れば話は自然に長く組み立てられていきます。
推しカプが同棲しているという事実だけを描写したい場合は朝のワンシーンで事足りるかもしれません。
そのお話を長くしたいなら、同棲することにしたきっかけ、同棲を始めたことによって二人に起きた変化など、関連付けて考えていけばぽんぽん思いつくはずです。
ここで重要なのは「長くしようと思って長くする」のではなく、「書きたいシーンを盛り上げようとしたら長くなる」のが理想であることです。
無理して長い話を書いても楽しくありません。
二人が同棲を初めて幸せに暮らすことがいかに尊いのかを、前後で説明するんです。推しカプへの熱い思いと妄想を詰め込めば長くなるんです。私だけではないはず。
私だったら「同棲している二人」を書くために、「同棲を考えるきっかけ」「同棲したい事を相談するシーン」を追加します。
例えば「学生時代はお互い実家でなかなか二人きりになれなかった推しカプ」を描写しておけば、あとから二人で同じ部屋に住んでいる描写がより引き立ちます。
同棲を提案するシーンなんて二度目の告白のようなものじゃないですか。むしろこのプロポーズのようなシーンが一番書きたくて書くという人もいるはず(私です)
プロットを立てると長編を組み立てやすい
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起承転結でプロットを立てるなら、私の場合は……
起→なかなか二人きりになれない推しカプ
承→同棲を考え始める攻(受)
転→「一緒に住まないか」というプロポーズ
結→朝同じ部屋で目覚める二人
という流れにします。日常をすごす二人の描写を細かくしたり、同棲を考え始める決定的な出来事が起きたり、考えていると色々膨らむのでメモしていきます。
あっと言う間にプロットが充実していきます。
プロットなしで長編を書く方もいますが、初めて長編を書く場合や、構成に自信がない場合はプロットを作成するのをお勧めします。
「このシーンを活かすには、その前後にどんなシーンがあると良いか」を考えると、お話を作る力がついていきますよ。
ワンシーンしか描かれていない文章はあくまでもワンシーンでしかなく、「お話」として完成はしておりません。そのことを意識して、起承転結のあるお話づくりに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
もちろん二次創作ですし、書きたいシーンのみを書くというスタイルでもいいと思います。
好きなシーンの詰め合わせという形ででも本は出せますしね。
良いシーンを大安売りするのはもったいないという考え方
私は「こういう二人めっちゃいいやん!」という素晴らしいシーンを思い付いたら、そのシーンをよりよく見せるために前後を考えずにはいられなくなるんです。
すごくいいシーンなのにワンライで終わらせたらもったいない、長編のワンシーンとして組み込もう、と考えるようになっちゃったんですよ。
私が、ワンライに参加しようと思えばできるのに、あえて参加しない一番の理由はこれです。
すごく可愛い、素敵な推しカプのシーンを思い付いたんだから、Twitterにぽんと出すだけじゃもったいない。読者の心を盛り上げて、気分が高揚しているタイミングでそのシーンを見せたいんです。
名シーンというのは、そうでない多くのシーンに支えられてこそ、最高の名シーンになるのだと思っています。
最高を最高にするための、準備のシーンを考えてみませんか。それが伏線です。伏線が回収されたとき、読者は納得したり、感動したりするのです。
長編を書いてみたいと思っている方、短いシーンに詰め込まれているあなたの推しカプの推しポイントを膨らませ、前後を充実させるところから初めてみませんか。
まずはヤマもオチもなくていいから、推しカプが朝起きてから夜寝るまでの一日を追って書いてみてください。
長い話を完結させたときや、分厚い本を出したときの達成感、ぜひ味わってほしいなと思います。
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