オタク女の手帳 腐女子と小説と二次創作同人誌

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人間は、自分と境遇が近い人にほど嫉妬する生きものである 二次創作同人誌の話

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 こんにちはキダチです。

 私のところへ毎日いろいろなご相談や愚痴が届きますが、本日はその中のひとつをここでご紹介しようと思います。

 読みやすく改行等しましたがほぼ本文をそのまま掲載しておりますのでお読みください。

 概要としては『同じ境遇なのに あの人のほうが 私より上手くやっていて 嫉妬してしまった話』でしょうか。

 

 それではご覧ください。

 

 

▼引用ここから▼

 

 はじめまして。思い切ってマシュマロ書かせていただきます。
 私は●年●月にとあるジャンルの二次創作を始めました。

 仕事持ち、子育て中ということもありなかなかうまく時間が作れず、またこういった二次創作という世界が初めてだったこともあってツイッターへの投稿、交流、それにまつわる今まで感じたことのなかった複雑な感情、フォロワーという不思議なつながりに右往左往する日々でした。

 

 それでも、同じ沼のフォロワーからの反応が良かったりすると喜んだりすることも新鮮な感動でした。

 ただ、本職の作家でもない、古の同人活動家でもない、他のフォロワーのように推しやジャンルについての知識を得るための勉強に生活の大半(或いは意識の大半)を捧げる時間がそもそもない私は、どんどん自己否定を始めてしまいました。

 

 おなじような年齢の子供を育て、バリバリ仕事もしている同人作家があふれる知識欲を抑えきれないように次々と書物を購入し専門知識を蓄えていく様をツイッターで見ているともう自分の生活自体を呪うような気持ちになっていきました。

 そしてそのフォロワーへの屈折した気持ちが溢れてしまい、彼女の周囲へも屈折した気持ちを持ち始める始末。ついには「沼の主流は自分の敵」くらいに思い詰めるようになってしまいました。

 

 狭い界隈です。空リプで匂わせのようなツイートをしたりして本当にダメな期間があり、今ではその同じ沼でつながっていた人たちからは離れ(一部ブロックし)違うアカウントでツイッターは続けています。

 当該フォロワーとこじれた件をしっている人はあまりいないかもしれませんがもう界隈の空気が自分をはじき出すように感じられてしまうのです。アンソロジーに誘われたりもしてものすごい体験もしたのに、その時期に手を付けたものは当時の屈折した心情と翻弄される実生活の記憶が結びついてしまいました。

 

 自分の作品ののった本達も二度と開きたくなくて封印しています。キラキラした大きい沼でした。今は私自身や私の小さな作品を好きでいてくれる(と信じたい)フォロワーさんとつながっていますが、まだあのモヤモヤと界隈への複雑な気持ちが拭えません。

 

 当時の自分の愚かさ、周囲の反応すべてが黒歴史。でも創作はやめたくない。もう自分を卑下したりはしませんが、こんな業のような物を背負ってしまう世界にため息をつきながら創作する毎日です。

▲引用ここまで▲

 

 相談や愚痴というより、まるで懺悔のようなマシュマロですね。

 送っていただきありがとうございます。

 この方は『自分は愚かだった』とご自分でおっしゃっていますし自己分析も完了されていると思うのですが、同じようなことで悩んでいる方も大勢いらっしゃると思うので、このマシュマロを読んで思ったことをお話しようと思います。

 

 まずキダチ自身は一人暮らしの女であり、子どももおりませんので、マシュマロ主さんのようにお子さんがいらっしゃる方のお悩みについては、本当の意味で寄り添うことはできません。

 ですが、このマシュマロの方のお悩みの根幹にある考え方については、他の境遇の方にも応用がきくのではないかと思います。

 

 

人間は自分と境遇が近い人ほど意識する

 

 人間は、自分と境遇が近い人にほど嫉妬してしまう生き物です。

 たとえば創作の面で、お子さんのいらっしゃるお母さんが、学生さんに嫉妬することはあまりないでしょう。逆に、学生さんがお子さんのいるお母さんに嫉妬することもあまり無いと思います。

 大抵は、『年齢も環境も全然違うのだから当たり前だ』と納得できると思います。

 ※結婚願望のある女性が、世帯をもっている女性に対して嫉妬することはまた別の話です。今回はあくまでも創作の話。

 

 たとえば私でも、このジャンルで創作を始めた時期が同じで作風が似ている文字書きと、自分とを無意識に比べます。

 自分よりもブクマが多い作家さんについては、なぜ多いのかを考えて、勝手に理由をつけて納得します。

 私より始めた時期が早いから。作風が万人ウケするものだから。Twitterの運用が上手でフォロワーが多いから。

 いろいろと理由をつけて納得します。

 しかし、その条件がどれも同じだと、差がある理由が見つけられず、自分の時間の使い方や作品が悪いような気がしてネガティブになってしまうのです。

 

 

 お母さんはとっても忙しいと思います。お仕事をされながらお子さんも育てられ、さらに創作をなさっているなんてとっても尊敬します。

 しかし、忙しくてご自身の創作の時間がうまくとれないからこそ、同じくお子さんのいらっしゃるお母さんが、自分よりも創作にあてる時間が多いと羨ましくなってしまうのだと思います。

 

 同人活動をしていて、誰か一人が憎くなってしまった時、大抵の場合は嫉妬に精神が支配され、その人のことしか見えなくなり、世界が『自分とその人』になってしまいます。

 視野が狭くなり、自分で自分を洗脳するような状態に陥ってしまいますので、一度落ち着いて視野を広く持ちましょう。深呼吸をしましょう。

 

 嫉妬に狂って、自分の作品を褒めてくださる方を見逃したくありません。

 この方も反省されていますが、空リプで嫉妬の念をTLに漏らしてしまうと、当該者以外の無関係なフォロワーからの信頼まで失ってしまいますのでご注意を。

 

 嫌いな人のことを考えて視野が狭くなるのは非常にもったいない。

 苦手な人のことを考えることに時間と精神を浪費することももったいないです。

 それなら、気持ちを健全にたもち、創作や勉強をするほうがよほど健全でしょう。

 憎さをバネに、この野郎と筆をとるのです。

 

 だってわたしがその人のことを考えて時間と精神を削っているころ、その人は新しい資料に手をだし、美味しいものを食べていることでしょうから。

 

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 『同じように子どもがいるのに、何で私よりあの人のほうがうまくやっているの』という感情に支配されてしまうと、場合によってはお子さんのせいにしているようになってしまい、余計に自己嫌悪を募らせてしまうと思います。

 そういう時は考え方を変えて『今は子どもとの生活が充実してるからいいわ』と考えてみたり『今日はごはんが美味しく作れたな』と考えてみたりして、創作以外のことで自分を肯定してあげてください。

 

 

二次創作×Twitterは視野を狭める

 

 創作のために運用しているTwitterは、同じ作品を好きな人が集まる分、世界が狭く見えがちです。

 そのジャンルを好きな人たちだけで世の中が回っているわけではない、そんな当たり前のことを忘れてしまうくらい、Twitterの没入感は厄介です。

 それだけSNSという存在が私たちの生活や社会に根付いているということでもありますね。

 

 二次創作は趣味ですが、同じ趣味をもつ人同士でどうしてもコミュニケーションが発生します。

 二次創作が楽しそうだから思い切って活動を初めてみたら、思ったよりドロドロした世界だった……というご相談もよく受けますが、飛び込んでみないとわからないことって多いですよね。

 マロ主さんは大人になってから初めての二次創作ということで戸惑っておられると思うのですが、老若男女問わず、『初めてのことに戸惑う』経験は誰にでもあります。

 それが学生のときだったか、社会人になってからかの違いだけです。大人びて見える年下の作家さんも、初めての時はいろんな失敗をしたはずです。

 

 

視野を広くもち距離感を掴む

 

 自分だけが愚かなのだと考えるのではなく、それが『よくある事』であることを知るだけでも幾らか安心されると思います。

 ご自身が失敗したなあ、と思ったことは是非これからの糧にしていただければと思います。そうやって、皆さん二次創作との距離感を掴んでいくのだと思います。

 似ているところがあっても他人は他人。共通点を基準に比べて落ち込むのではなく、『違い』から『自分の強み』を発見してください。

 

 私自身も勉強になる、考えさせられるマシュマロをありがとうございました。

 マロ主さんがこうしてご経験をお寄せくださったことで、この記事を読んだ誰かがきっと、何か気づきを得るかもしれません。

 

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