オタク女の手帳 腐女子と小説と二次創作同人誌

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小説同人誌に人物イラスト表紙や挿絵は必要ないのでは?と思うことがあります

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 こんにちは、キダチです。

 今日は小説同人誌の表紙のお話。

 読者の想像力に限界を作ってしまうような表紙や挿絵は逆にもったいない、という話です。

 私自身は自分の小説に、絵師さんによる人物イラストの表紙をつけたい派なので、後半はその話もしています。どうぞ最後まで読んでください。

 

 

イラスト表紙と挿絵に感じるデメリットと、小説のメリット

 

 イラスト表紙や挿絵があると、読者さんにイメージがすぐに伝わります。それはメリットでもあり、デメリットでもあると私は感じています。

 小説の良いところって、読者さんの想像力の限り可能性が無限大であることだと思うんです。

 例えば「美しい少年」と書くだけで、読者さんはそれぞれの好みの美しい少年を思い描きます。細身の儚げな少年かもしれませんし、活発に動き回り膝小僧にばんそうこうのある少年こそ美しいと思う人もいるでしょう。

 「たくましい男」と書けば、読者さんは脳内でその男にお好みの背丈と筋肉量を与えるでしょう。

 

 小説が好きな読者さんは、文字や文章を通して自身の頭の中に理想の世界を思い描いてくれます。

 絵柄はもちろん好みの絵柄ですよね。読者さんに本を手にとってもらう際、絵柄の好みに左右されないのが、小説の強みでもあります(もちろん文章の読みやすさ等の好みもありますが)

 

 美しい町並み。行きかう人々。その往来の中央を歩く、絶世の美少年。

 ※私が腐女子なのであえて少年にしています。絶世の美女でもかまいません。

 そんな文章を目で追い、脳内に理想の街並みと少年を思い描いているとき、次のページに挿絵があったらどうでしょうか。

 あなたが思い描いていた理想の情景は、途端に挿絵に上書きされてしまいます。

 

 もちろん、イラストで登場人物のイメージを掴んでもらうのも良い手段です。

 しかし、二次創作はジャンル知識がある方が読むことが前提なので、人物の容姿や性格については読者の皆さんもご存知でしょう。

 二次創作小説なら特に、読者さんの好みの絵柄で想像させてあげる方がいいかも、と思うことがあります。

 

 ちなみに私は自分の小説の表紙に、絵師さんによるイラストをお願いすることが多いです。

 ですが、私の小説の中でも映像的に一番大事にしたいところは、あえて描いてもらわないようにしています。

 たとえば、腐女子カップリング小説でよくある、推しと推しの結婚式のシーンを例にお話ししましょう。

 

 美しい教会廃れた教会か、どっちもタキシードか片方はドレスなのか、そのあたりは描写しますが、絵には起こしません。

 私の文章を読み、絵や文章では表しきれないようなどこまでも美しい情景を、思う存分読者さんに想像してほしいんです。

 

 色とりどりのステンドグラス、天使から祝福されるかのように降り注ぐ陽光。

 

 もしかしたら誰もいない廃屋の中で、十字架に積もる埃を二人で払うような結婚式かもしれません(うわエモ)

  

 上記の描写だけでも、今このブログを読んでくださってる方の頭の中には、理想の情景が広がっていると思います。それを、絵で固定してしまうのは非常にもったいないと私は思うのです。

 何よりそこには書いてる本人である私の理想があります。こんな景色が広がっててほしい、この人物にはこんな表情をしてほしいという理想です。

 それを表紙や挿絵という形で絵にしてしまったら、そこで私や読者さんの想像が止まってしまうのです。

 

 ここまで、絵をつけることのデメリット、という切り口でお話してしまいましたが、逆に文字書きさんは、これらのことを小説のメリット・小説の良いところとして自信にしていただけたらと思います。

 小説には、小説の良さがあるのです。頭に浮かぶ理想を細かく描写する必要はありません。あえて空白をつくり、読者さんの想像力に任せてみるのも良いですよ。

 

 

 

イラスト表紙や挿絵があることのメリット

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 ここまで書いておきながら、わたしは絵を描く友人にイラスト表紙をお願いして同人誌を出しています。

 Pixivに載せる小説でも、力を入れて大作を書きたい場合などは、Web用のイラスト表紙をお願いします。

 それは、もちろんイラスト表紙にもメリットがあるからです。

 

 表紙やサムネイルに人物イラストがあると、ひと目みて「A×Bの小説だ」と分かりやすいです。

 たくさんある小説一覧をスクロールしたり、同人誌即売会で目の前を通り過ぎたりするだけで、ふと目を引くでしょう。

 私はイラスト表紙を、アイキャッチとして考えているのです。

 これだけ聞くと、絵師さんを利用している、と思われるかもしれませんが、たとえその通りだとしても絵師さんとは話し合いをしています。

 

 小説は手に取ってもらうまでのハードルが高いこと。

 多くの人に読んでもらいたいから、力を貸して欲しいこと。

 これらを真摯にお話すれば、分かってもらえます。信頼関係のある仲の良い絵師さんや、私の小説を読んで好きだと言ってくれる方だと頼みやすいです。

 

 小説同人誌の表紙を担当することに、憧れている絵師さんもいます。

 「〇〇さんの小説本の表紙を描かせていただきました!」そんな告知をしてみたい、そんな絵師さんのささやかな夢のお手伝いもできます。

 もちろん「表紙は描いてみたいけど、あなたの小説ではない」と思われるリスクもありますよ(悲しみ)

 Win-Winな関係が築けそうな絵師さんが見つかったら、誠意をもってお願いしてみます。

 

 絵師さんにも絵師さんのこだわりがありますので、お互いの意見を尊重しあいながら、打合せをしましょう。

 絵師さんにも楽しんで描いてもらいたい、という想いがあれば大丈夫です。

 ある程度自由に描いてもらうためにも、小説の書き手のこだわりや理想が詰め込まれているシーンは、あえて描いてもらわないのがいいと私は思っています。

 その理由は、記事の前半でお話した通りです。

 

 本が完成したら、絵師さんには献本とともにお礼の言葉と品物をプレゼントしましょう。

 たとえ仲の良い絵師さんでも、お友達でも、表紙に絵を描いてもらうと言うお仕事をお願いした以上、そのお仕事に見合う報酬を渡してください。

 きちんと誠意をもって話し合いをし、心のこもったお礼をすれば、きっとお互いに満足感が得られます。

 

 誰かに仕事を依頼し、報酬を支払う。そういう仕事の流れを趣味の範囲で経験し、学べることも、小説表紙を絵師さんにお願いすることの隠れたメリットかもしれません。

 絵師さんに表紙をお願いした以上、なんとしても本を落とすわけにはいきません。

 締め切りを守らなければ!進捗報告で弱音を吐かない!等、気合が入るのもメリットですよ。

 

 

絵には絵の、漫画には漫画の、小説には小説の良さがあります

 

 ここまで書いてきて何が言いたいかというと、二次創作の文字書きさんに、絵や漫画に対して劣等感をもってほしくないなという事です。

 どうしても見た目のインパクトで、小説は絵や漫画に負けます。Twitterで流れてきたとき、ぱっと開いて読めるお手軽さでも負けます。そもそも勝ち負けじゃないんですが、人と比べてしまうのは創作者の性ですので仕方がありません。

 

 絵や漫画の良さ、小説の良さは違います。

 小説は手に持ってもらえないから、絵師さんに表紙をお願いしよう、と考える必要はないのです。

 デザイン表紙でも、シンプルにタイトルだけの表紙でも、中身のアプローチをしっかりすれば、小説が好きな方は読んでくれます。

 

 目を引くことも大切ですが、それよりもっと大切なのは読んでくれた人の心をつかむことだと私は思います。

 小説には小説の良さがあります。

 その良さを分かってくれる人に届けるためには、書く人自身がその良さを理解し、自信をもつことが大切だと私は思うのです。

 

 小説のいいとこ、見せてやる!そんな思いで一所懸命書いた小説なら、絵や挿絵に頼らずとも、きっと誰かの心に刺さるでしょう。

 

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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